指導者インタビューお茶編

静岡県農林技術研究所 茶業研究センター 小澤朗人 上席研究員

茶園におけるカンザワハダニの発生動向と防除のポイント。
カンザワハダニは、茶農家から「赤ダニ」とよばれ恐れられているチャ害虫です。静岡県では、過去に薬剤抵抗性や合成ピレスロイド剤によるリサージェンス(誘導多発生)が大問題となったことがあり、本種は現在でもチャの重要害虫の一つです。ただし、近年は、かつてのような大発生はあまりみられなくなり、防除回数も減りつつあります。年間の発生消長パターンも、周年だらだら発生型から5~6月と9~10月の2つのピークをもつ二山型へと移行し、さらに5~6月に大きなピークがみられる一山型へと変化しています。なお、最近は、異常気象の影響で晩秋に再度ピークが現れる新たなパターンも観察されています。

本種は生殖休眠した雌成虫で越冬し、春先から産卵を始めます。産卵は3月上旬頃から始まりますが、暖冬年には2月頃から卵がみられる年もあります。越冬雌と卵はすそ葉に多く、ふ化幼虫はしばらくすそ葉に止まっていますが、気温の上昇とともに摘採面に移動して一番茶芽を加害するようになります。さらに、その次世代が5月下旬頃から発生して二番茶芽を加害するようになります。例年、6月上旬頃がハダニの最大ピークになることが多いのですが、この頃より天敵のカブリダニ類が急激に増殖し、6月下旬になるとカブリダニがハダニを食い尽くすため、二番茶芽での被害は近年少なくなりました。7月に入ると両者ともに密度が激減します。8月下旬頃から再びハダニが増えることがありますが、9月中旬頃にはカブリダニなどの天敵類によって密度は抑制されます。カブリダニ類の増殖には比較的高い気温と高湿度が好適となるため、増殖期に当たる5月下旬~6月上旬頃に低温や乾燥が続く年は、二番茶に被害が発生する可能性があるので注意が必要です。また、ハダニは乾燥を好み、中切り更新園や二番茶摘採後に浅刈りを行った園は乾燥しやすいので、8月下旬頃からのハダニの発生に注意します。

年間の防除は、越冬雌とその産下卵を狙った3月上中旬と一番茶摘採後の5月中下旬、および更新茶園などで8月下旬に多発生した場合はその防除が必要です。産卵期の3月の防除ではエトキサゾールなどの殺卵活性の高い殺ダニ剤が適しており、5月や8月の防除では殺成幼虫活性が高く、かつカブリダニなどの天敵類に影響の少ないシフルメトフェンなどが適しています。また、ハダニは葉裏に寄生しているので、薬液が葉裏までしっかり付着するように400L/10aを丁寧に散布することが大切です。

JAハイナン 相良営農経済センター 紅林慎史さん

JAハイナン管内では、お茶の栽培が盛んで約2,500haが栽培されており、主な品種は「やぶきた」です。
ダニサラバは2,000倍で、散布水量も350ℓ以上でしっかり防除するように指導しています。
通常の使用時期としては、一番茶摘採後~二番茶萌芽期になります。
しかし最近は病害虫の発生が読めないこともあります。
おそらく気候の影響でしょうが、突然、変な時期にハダニが発生したりするんです。
そういった予想外の場面でも、ダニサラバは頼りになります。

ダニサラバは、ハダニの密度が多少上がっていても、卵~成虫まで全ステージに効くのでしっかり防除でき、摘採7日前まで使えるところも良いですね。さらに2,000倍でも十分な効果があり、価格も安くて農家の強い味方になってくれています。
また、同JA管内ではいちごや花卉などの栽培も盛んで、そこでもダニサラバは指導していますよ。他にも登録内容が広いので農協としてもすすめやすいです。
これからも長くダニサラバと付き合っていきたいですね。

JAおおいがわ 初倉営農経済センター 福手裕三さん

ここ初倉営農経済センターは牧之原台地の北部に位置しています。 県内でも有数の茶所として、JAと農家が一体となってお茶の生産に取り組んでいます。

また、水稲刈取り後の圃場を利用してのレタスの栽培も盛んです。
静岡県内でも大きな産地となっており、こちらは約100ha作付けしています。

ダニサラバは残効が長いところが薦めるポイントです。
農家によっては栽培している面積が大きいため、どうしても薬剤散布に何日もかかってしまいます。
なので急な天候の変化で薬剤散布が出来ない日ができてしまうと、最初に散布した圃場と最後に散布した圃場が何日も違ってしまうということもあります。
残効が短い薬剤だと最後に散布した後に最初の圃場に薬剤散布が必要ということもあり、非常に労力がかかってしまいます。
長い残効性があり・安定した効果が期待できるダニサラバならば撒き直しという心配がないので、薦めるダニ剤の中から選ぶときの決め手にしています。

ここ数年は従来カンザワハダニが発生する時期での発生は少なく、突発的に発生することが多くなってきています。そんな時もダニサラバの出番です。
卵・幼虫・成虫、全てのステージに効果のあり、摘採7日前まで使用できるため薦めやすい薬剤です。
従来使用する一番茶摘採直前や一番茶摘採後から二番茶摘採前もそうですが、突発的なカンザワハダニの発生が起こりやすい8月中下旬から9月もお薦めしています。

ダニ剤は限られているので、ローテーション防除の一剤として大事に推進、提案していきます。

JAおおいがわ 島田営農経済センター 山本尚充さん、泉竜二さん、臼井瑛亮さん

ここ島田営農経済センターがある島田市では約850haの茶面積があり、島田茶ブランドとしても有名です。
当センター管内では約400haの茶面積があり、主な品種は「やぶきた」を栽培しています。
また、茶との輪番作物として「らっかせい」にも力を入れて指導しています。

ダニサラバは発売当初から一番茶摘採後~二番茶萌芽前までに使用するよう、農家に指導しています。
ダニ剤は一般的に浸透性が無いため、希釈倍率1,000倍、350L/10aで撒きムラが無いよう、しっかり散布するようにしています。

ダニサラバは卵・幼虫・成虫、全てのステージに効果があるため、スポット的に多発した時などには重宝しています。
「収穫前7日」という登録も薦めやすいです。

また重要なポイントとして、「天敵に優しく、ターゲットのカンザワハダニにはしっかり効く」という点があります。
この点が重要で、ダニサラバの残効が切れた後でもカンザワハダニの密度が低く推移する要因になります。
つまり、最初はダニサラバの効果でカンザワハダニを抑え、その後は生き残った天敵に上手くバトンタッチできます。
自然に天敵を利用するサイクルを構築できるダニ剤だということです。

近年、新規のダニ剤はあまり上市されておらず、既存ダニ剤の中でのローテーション防除がメインになってきています。ダニサラバ含め、既存ダニ剤を少しでも長く使用できるよう、指導していきたいと思います。

JA南さつま 知覧茶業センター 田崎勇一さん

知覧茶の面積1300haで県内でも有数な面積を占める茶の生産地域です。昭和45年頃からブランド茶(知覧茶)として推進を行い、全国的に知名度がアップしてきています。地域内では数多くの品種(やぶきた、ゆたかみどり、あさつゆ、など)を栽培し、ブレンドして小売をしている茶工場も多く存在しています。

ダニサラバフロアブル導入前は、カンザワハダニの発生が多く、一番茶では殺ダニ剤を2回使用し、大変困っていた状況でした。そんな時、カンザワハダニの卵から成虫まで幅広い発育ステージに効果の高いダニサラバフロアブルが発売されました。すぐに、一番茶前にダニサラバフロアブルを使用し、2回散布が1回散布となり防除体系の省力化が可能となりました。

かぶせ前にダニサラバフロアブルを散布することによってハダニ被害はなくなりました。また、生産者の間では、ダニサラバフロアブルを散布するとカンザワハダニがまったくいなくなり、効果をはっきりと実感して使用しています。

ここ数年、カンザワハダニの発生が少ないですが、時々、カンザワハダニの発生が突発的に起こるので、そんな時のために、生産者の方々は絶対的な信頼があるダニサラバフロアブルを常備しています。

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JAあおぞら お茶指導員

JAあおぞら・あおぞら茶業センターがある志布志市有明町では約800haの茶面積があり、有明茶ブランドとしても有名です。
茶の生産が非常に盛んで大きな面積がございますので茶の生産や販売に特化した茶業センターという形で機能しております。

ダニの発生は毎年予測がつかないものであり、数多く発生する年もありますのでそのような時に直に対応できるように指導員は日頃から気をつけていなくてはなりません。ダニ剤は新規の商品が毎年出るわけではなく、限られた物の中から選んで使用しなくてはならないものなので一剤一剤しっかりと使用方法・効果を勉強しております。
その中でもダニサラバは非常に使い勝手が良く、数あるダニ剤の中でも安心して生産者に薦める事ができる一剤です。一番茶摘採後~二番茶萌芽前までに使用するように指導していますが、なんといっても卵~成虫までの全てのステージに効くというのが非常に素晴らしい点であり、また使用時期が摘採7日前までというのも使い勝手が良いと思う理由です。

そしてカンザワハダニにはしっかりと効いて、その天敵であるカブリダニや有用生物のミツバチ等には影響が小さいというのも忘れてはならないダニサラバの特徴ですね。

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